2020年1月アニメが続々と始まりましたね。
なかでも「pet‐ペット‐」に感情を揺さぶられまくっています。
Amazonプライムビデオでは現在6話まで配信中です。
アニメ「pet」の概要
「pet」の原作は三宅乱丈氏による全5巻の同タイトル漫画だそうです。
ビッグコミックスピリッツで「pet」が連載されたのはなんと2003年。
今回のアニメ化にあたって、監督の大森貴弘氏は
この作品の映像化を15年前の連載当時から、それこそ「ずうううぅっと、ずうううぅっと」夢見てきました。
とコメントしています。
制作は「虐殺器官」「刻刻」「ゴールデンカムイ」などのアニメ化で知られるジェノスタジオ。
「pet」のジャンルは、「すこしふしぎ」という意味のSFというか、現代を舞台としながら異能力者が暗躍する感じのアニメです。
最初の「タニ」を乗り越えられるかが視聴のカギ
「pet」の第1話『潰し屋』
アバンは病院らしき場所、テレビをぼーっと見つめる男の子、悩む母親…
かなり不穏な始まりで、「家庭不和」や「女性のヒステリックな叫び声」が苦手な人はここで視聴をやめてしまうかもしれません。
実はここは男の子の「タニ」なのです。
「タニ」とは、記憶の中でいちばん嫌な出来事がつまっている場所。
それとは真逆に、いちばんうれしかった出来事がつまっている場所が「ヤマ」になります。
男の子は「イメージ」を使える能力者ですが、「ヤマ」を持たないのでずっと「タニ」の底に沈んでいました。それゆえ人格も持てずにいたのですね。
最初の数分は「タニ」である鬱々とした描写が続きますが、せめて林さんという髪の毛が長くて温和な男性が出てくるまで見てください。
林さんは「ヤマ」を持たない男の子に、自分の「ヤマ」を分け、生きのびる方法を教えてくれます。そこで初めて男の子は綺麗な世界を知り、人格を持つのです。
そこで流れるオープニング。
TVアニメ『pet』OP/オープニングテーマ「蝶の飛ぶ水槽」TK from 凛として時雨
TK from 凛として時雨による書き下ろし楽曲。
OP終盤の「…しまう」三連続でシャウトからの再びサビに戻るところが好きすぎて何度も見てしまいます。
第1話のオープニング後は、それから数年後が舞台となり、また新しい人物が登場します。ですが、本編で「〇〇年後」とテロップが出るわけではないので、見ているうちにわかるという感じですね。さっきの男の子の行方も、見進めると「ああ、なるほど」となります。こういったミステリー要素に引き込まれるうちに、夢中になりました。
第6話まで見た感想(※ネタバレあり)
以下は「pet」第6話まで見た感想ですが、ネタバレしている部分がありますので未視聴の方はご注意ください。
「pet」第6話『裏技』
「ペット」の意味
ヒロキは司のペット、悟は林のペットなわけですが、「ヤマ」をわけてくれた相手がいわば里親みたいな感じになるってことですよね。
人間が生活の友として犬や猫を「ペット」として飼うときも「里親になる」と言いますもんね。それと同じってことか…と感心してしまいました。
ペットは従順であり、主人の言うことには絶対服従。だけど、それってペットの性質であると同時に「ペットがそう望んでいるから」なんですよね。主人のよろこびは自分のよろこび。主人の望みを全力でかなえて、主人のためなら自分の身が傷ついてもかまわない。
司や「会社」はペットのことを「自由に使える駒」としか考えていないけど、ペットからしたら主人への愛情は絶対的なものであり、かけがえのない絆がある。
そんなペットの本質を、6話でヒロキが体現していました。自分のヤマに司を引き入れ、危険をかえりみずに全力で主人である司を助け、自分はボロボロに。
考えてみれば、司の主人は林さん。
林さんを潰すために自分のヤマを危険にさらした司ですが「主人を潰す」というペットとしてはありえない行為をするのはかなりの負担だったはずです。だからこそ、自滅するようなやりかたで対峙したのでしょう。
主人を全身全霊で肯定するペットのありかたに、涙が出ました。
主人とペットは親子関係にも似ていますよね。親は子供にどんな楽しいことを経験させてあげようかとか、どんなうれしい気持ちを感じてもらおうかとかあれこれ工夫します。「ヤマ」をわける行為と一緒ですよね。ただペットと違うのは子供は成長し親を越えていき、親は年老いていくこと。
この先、ペットと主人の関係は変わらないままなのでしょうか。それとも、ヒロキや悟がペットを卒業し、独り立ちする日が来るのでしょうか。
アニメは1クール(ですよね?)なので、6話だと折り返し地点ですね。
この先ペット達がどうなっていくのか、目が離せません。