NHK大河ファンタジー「精霊の守り人」新シリーズ「悲しき破壊神」の放送が始まりましたね! 第1回の内容を振り返ってみます。
破壊神の目覚め
冒頭ではタルの民である幼い兄妹の目の前で、母親が処刑されてしまうというシーンから始まります。それをきっかけに妹のアスラのなかで眠っていた破壊神が覚醒。兄弟の母・トリーシア役は壇蜜さん。鬼気迫るメイクが見どころでした。
アスラ役は鈴木梨央ちゃん。破壊神が覚醒する瞬間の「からっぽ」にちかい極限状態の演技がすっごかったです。
破壊神の到来によりただならぬ処刑がおわった後に、ロタ王国の君主と王弟イーハンが現場検証にやってきます。イーハン役はディーン・フジオカさん! かっこいい。
イーハンは処刑された女がトリーシアだと知って驚愕。二人が無関係ではないことを匂わせるシーンですね。
このあたり、原作である「神の守り人」と同じ流れでひそかに安心しました。
バルサの現在
一方、四年前にカンバル国王を暗殺しようとしてお尋ね者になってしまったバルサ(綾瀬はるか)は、ロタ王国に身をひそめながら用心棒稼業を続けていました。
ロタ王国の市場では年に一度の薬草市が行われていました。バルサの読み通りそこへ現れたのは幼馴染である薬草師のタンダ(東出昌大)。
久しぶりの再会を喜ぶのも束の間、バルサはアスラとチキサが人身売買されているのを見てしまいます。幼い子供が不本意な運命にのみこまれていくのが放っておけずに、思わず後をつけるバルサ。
そこで目の当りにしたのは、アスラが召喚した破壊神による恐ろしい力。バルサは自分も傷を負いながらも兄妹を助けることに。しかしロタ王国の密偵である呪術師スファル(柄本明)とその娘シハナ(真木よう子)がアスラの命を狙っているのでした…。
いやー、綾瀬はるかさん、いいですね。顔や身体には黒っぽいオイルでも塗っているのでしょうか。美白なイメージを完全に覆して、バルサに入りきっています。
ドラマで見ていて思うのは、「短槍」って本当に短くてコンパクトなんだな! ということ。原作を読みながら思い描いてはいましたが、それよりもだいぶ短め。わたしが想像していたのは「うしおととら」の「獣の槍」ぐらいの長さだったことに、映像を見ていて気づかされました。
真木よう子さんがシハナというのもぴったりですね。野心にあふれていて底が見えない暗黒やんちゃ娘、といった役どころがものすごく体現されています。ドラマ「SP」でのかっこいいアクション真木よう子さんが好きなので、ガチ対決するであろう次回以降が楽しみです。
チャグムの成長
チャグム視点の「蒼路の旅人」を原案とするシーン。
チャグムが新ヨゴ皇国の王宮で短槍の稽古をしているシーンでもう泣きそうになってしまいました。バルサから教えてもらった体術を忘れないようにずっとひとりで訓練しているかと思うとほんと健気で…。
四年前に精霊の卵を産み付けられて、身体を異世界に持っていかれそうになっても打ち勝つことができたチャグムは、「そんなことできるなんてもしかしたら帝よりすごいんじゃ」と噂になっています。第二皇子も産まれ、四年前にチャグムを亡き者にしようとした帝との関係も最悪に。父親である帝からそんな風に疎まれながらも果敢に正しいことをしようとするチャグム、まじ尊い…。
しかしそんな態度を逆手に取られて、南方にあるサンガル王国への援軍として祖父とともに送られてしまいます。援軍と言えども、船は一隻のみ。さらに南にあるタルシュ帝国がしかけてくる戦に救援に向かうには無理な話です。
帝が下した非情な命令にチャグムの母である二ノ妃は嘆き悲しむのですが、チャグムは「第二皇子を産まなければよかったなんてことは絶対に言ってはいけません。わたしにとってもかわいい弟の存在があることで、安心して母上を置いていくことができるのです」とまたしても尊いことを言って泣かせるチャグム。
気になったナレーションの演出
最初のほうと、終わりに入るナレーション。
すごく不思議な声の響きでしたね。
全然張り上げているわけではなくて、むしろひっそりと囁くような大きさなのに、すごく通るというか、言葉そのものが生きているみたいな響きをもっているというか。
とても気になってスタッフロールをよく見てみると、ナレーション(語り)を担当しているのは山崎阿弥さんというボイスアーティストの方だそうです。
山崎阿弥さん御本人のTwitterでは、ナレーションにまつわる興味深い解説をしていらっしゃいました。
私は手話ができないのですが、ナレーションの録音時、言葉に合わせた体の動きを自分で考えて動きながら発声しました。何となく普通の語りと違う間が生まれているのは体が声を引っ張っているからです。特に「バ・ル・サ」の三文字は一文字ごと一音ごとに一つの人格を与えて発声しました。#精霊の守り人
— 山崎阿弥 (@ami_yamasaki) 2017年1月21日
ナレーションのほかにも、アスラが召喚する「神」が怒り狂ったときの効果音なども担当されているようです。そんな声が人間から出るということに驚きました。
おわりに
わたしが原案になった「守り人シリーズ」を読んだのはもうずいぶん前のことです。忘れている部分もかなりあります。今回はドラマを見るにあたって、 あえて読み返さずに新鮮な気持ちで見てみようかなと今シリーズの第一話を見て思いました。
綾瀬はるかさんのバルサを見ていると、なんだか姿勢が伸びるような気持ちです。見終わったあと、部屋が寒くて巻いているストールも、バルサ気取りでバサッと翻したくなりますね。といっても、バルサとは違って刺客と死闘を繰り広げているわけではないのですけども。
ちなみに第1回の再放送はNHK総合で2017年1月28日(土)午後4時30分からです。
山崎阿弥さんによるナレーションや効果音が気になるので、再放送はヘッドホンをして見てみようかなと思います。
次回も楽しみですね!
お読みいただきありがとうございました。
▼第2回のネタバレ感想はこちらから読めます。
▼ドラマの原案となっている守り人シリーズについて書きました。