日めくりインドア女子

ゲームや漫画、ドラマやコンビニスイーツなどに関するインドア女子の記録

スガシカオのオフィシャルメールマガジンに感じるヌクモリティ

f:id:awawako:20170114104149p:plain

わたしがスガシカオメールマガジンに登録したのは4年ほど前のことだった。

4年前といえばスガシカオが事務所から独立し、レコード会社とも契約を結ばずにフリーで活動していた頃。

聴く側としてはメジャーでもインディーズでもたいした違いはないように思える。しかし、独立後に彼の歌をメディアで耳にする機会は格段に減った。

わたしはそこまで熱心なスガシカオファンではないけれど、彼の作り出す音楽は好きだ。

セカンドシングル「黄金の月」をどこかの有線放送で聴いたのが最初だった。当時流行っていたJポップとは全く毛色が違うサウンドと歌詞、ハスキーな歌声。感銘を受けて、ファーストアルバム「Clover」は何度も聴いた。

それ以降の活動についてはよく知らない。SMAPの「夜空のムコウ」で作詞の才能が広く認知されたこととか、洋楽好きで知られる村上春樹も認める稀な日本人アーティストだとか、その程度の知識しかない。

あとはテレビや映画で流れる彼の歌を耳にしたり、ミッチーこと及川光博と「午後のパレード」を歌っているのを見て楽しい気持ちになったりしたくらいだった。

ミッチーとのデュエットに関しては、ちょうど同じ放送を見ていたと思われる飯島愛がブログにそのことを書いていたのをよくおぼえている。スガシカオのセクシーさに目をみはった、ドキドキした、そんな内容だった。飯島愛はそれからほどなくしてこの世から居なくなってしまった。それ以来、彼女のブログは見に行っていない。

 

スガシカオメールマガジン

その存在に気づいたきっかけは、「フリーになったスガシカオは苦しいながらも自分の音楽を続けているらしい」とネットの記事かなにかで読んだからだったと思う。

スガシカオ」で検索をかけてみると、かつて彼が所属していた事務所によるアーティストサイト跡地と、スガシカオ本人によるサイトがふたつ出てきた。

最初からずっとまったく無名であるよりも、一度有名になったあとに自分からその舞台を降りていくことによる弊害やしがらみなどがきっとあるのだろう。そんな「認識しづらいけれど確実にある闇」が、まったく無名であるわたしにもなんとなくわかった。

独立してからのスガシカオのブログには突発性難聴に苦しみながらも新曲を配信リリースしている様子が、彼自身の言葉で熱く綴られていた。

そこには売上や知名度がどん底であること、だけどこれから這い上がってやる、という赤裸々な思いが書かれていた。ほとんどの人が耳にしたことがあるはずの有名アーティストがここまでの熱量をネットに公開してもメディアにはほとんど取り上げられないという現実。そのことが芸能界における暗黙の了解を物語っていた。

 

ブログの過去記事を読みまくったわたしは、同じページにあるオフィシャルメールマガジンというバナーに気づいた。

空メールを送信すると登録URLが送られてくる仕組み。

無料ながらも本名や生年月日、住所などがすべて必須項目となっていることに若干のハードルを感じたが、不遇な時代を生きているスガシカオへの応援の気持ちもこめてすべて入力した。

 

登録してすぐの頃は、ほぼ毎日のようにメールが届いた。

内容はブログの内容と似たような、日常のことや制作の話、体調や気持ちのことなどで、本文の一番最初の行には必ず『●● ●●さん(本名)』と、登録した自分の名前が入っている。

普段のインターネット活動において本名を使う習慣がないわたしにとって、まずフルネームで呼びかけられるのがいつも目を引いた。

名前の呼びかけから始まったメールは、挨拶と「寒いですね」「暑くなってきました」「花粉症がつらい季節です」などの四季折々の文が続く。

 

一番驚いたのは自分の誕生日のとき。

生年月日などの細かい情報を登録したことを記憶の彼方に追いやっていたので、「お誕生日おめでとうございます」のメールには本当にびっくりした。

今までアイドルやアーティストのファンクラブに入ったことがない人間なので、その手のサプライズには免疫がついていなく、純粋な嬉しさを感じてしまうところもあるのかもしれない。また、誕生日当日にメールで祝福してくれるような友人もわたしにはいない、という事実を寂しくかみしめていたところに届いたおかげで尚更うれしく感じた。

 

スガシカオオフィシャルメールマガジンは届く時間帯が決まっていない。タイムスタンプを見ても、ジャスト21:00とかではなく、21:03とか22:59になっている。

さらに時間帯によって、名前に続く挨拶が「こんばんは」だったり「こんにちは」だったりする。たったいま書いたメールが届いた、というリアリティがある。

 

メルマガを登録してから数年、そのあいだにスガシカオは再びメジャーレーベルと契約を結んだ。

あの頃よりずっと華々しい活動をしているのだろう。それは届くメールの頻度からもうかがえる。ほぼ毎日だったものが今は月に数回になった。メールの中のスガシカオはとても忙しく、元気そうだ。

 

2017年2月はスガシカオというアーティストにとって特別な節目になる。

普段は受け取ってばかりだけど、たまにはこちらからも何か言ってみたくなる。

 

スガシカオさん、メジャーデビュー20周年おめでとうございます。

 

 


 

お読みいただきありがとうございました。

 

▼話題のメールマガジン登録はこちらからできます。

Suga Shikao Official Site

(よくみたら「お誕生日メール配信!」て書いてあったし…)

 

▼最近のアルバムには村上春樹によるライナーノート付き。