「オカムス」ことNHKドラマ10「お母さん、娘をやめていいですか?」の第2回をやっと見ることができました!
ネタバレとともに振り返ってみたいと思います。
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▼前回のネタバレ感想
顕子の過去
美月(波瑠)は初デートで松島(柳楽優弥)から交際を申し込まれるが、突然のことに驚き断ってしまう。顕子(斉藤由貴)が嫌がる美月を松島と再び強引にデートさせようとすると、松島はそれでは三人でデートしたらどうかと提案する。三人デートは思いのほか楽しいものになり、美月と松島は急接近する。しかし、松島に仕事での悩みまで相談し始めた美月を見た顕子は、一転して松島とつき合うことはやめなさいと美月に言う。
美月が松島を断る口実に「建設中のわたしの部屋の天井を50センチ高くしてください。そしたら付き合うことを考えてみます」と言ったのはなんだかかぐや姫みたいでした。
遊園地デートではおもに顕子が大はしゃぎ。しかし三人でデートしたことを聞いた顕子の友人でもある人形師・文恵(麻生祐未)はドン引きします。というのも、大学時代に顕子と二人で同じ男性を好きになったことを思い出したからです。
結局その学生時代の相手は文恵が勝ち取り結婚しました。しかしたった一年で別れてしまったことも含めて『顕子と二人でただ意地になって女の戦いに負けたくなかったからかもしれない」と振り返ります。
文恵は「白雪姫をいじめる継母のお妃は、最初の段階では継母ではなく実母だった。だけど実の娘に嫉妬したなんてことは問題があるから差し替えられたのよ」と本当はこわい白雪姫の話を例に出してそれとなく注意しますが、「冗談やめてよ」と自分の本心には気づかないふりをしつづける顕子。
心配のあまり文恵は顕子の夫である浩司(寺脇康文)に話しますが、煮え切らない態度。文恵は思わず「家族の問題を見て見ぬふりするために仕事に精を出して、家にあまり帰らなかったの?」と言います。文恵さん、けっこうズバズバときついことを言っていますが、嫌な感じがしないのは麻生祐未さんの柔らかいイメージと演技力のおかげでしょうか。
顕子と玲子
今回も顕子が老人ホームに入居している実母・玲子(大空眞弓)を訪ねるシーンがありました。頑なに孫を連れてこない顕子に向かって「わたしがあんたじゃなくて孫の美月ばかりを褒めるから面白くないんだろう。あんたは失敗ばかりだった。受験も、教師になることも、結婚も。あの大学時代に好きだった男を旦那にしてればよかったのに」と悪態をつく玲子。
個人的には顕子と美月の関係を見るよりも、こっちの顕子と玲子のシーンのほうが見ていてきついです。わたし自身も母親に「わたしは愚痴のごみ箱じゃない」と思ったこともが何度もあるので、毒がまわってきそうで、玲子のように席を立ちたくなりました…。
顕子は多分「自分の母のようにはなりたくない」という思いをかかえているのかもしれません。自分が母からは愛情をもらえなかったぶん、娘には愛情を注いで注いで注ぎまくって器がこわれてしまいそうなことに気づかないふりをしているのでしょう。相手が望んでいない、一方的な「愛情」はただの押し付けでしかありません。
美月の相談
生徒たちの反発にあって学校での授業がうまくいかなくなっている美月。学級崩壊しはじめていることを顕子には言えずにいました。ある日、保護者会で糾弾された美月は教室から飛び出してしまいます。スマホで真っ先に開いたのは母とのチャットアプリでしたが、送ることはしませんでした。ちなみにこのとき美月のスマホの待ち受け画面が映りましたが、顕子と美月のツーショットが待ち受け画面でしたね。顕子は美月を待ち受け画面にしているのでここでも母と娘の共依存関係が浮き彫りに。
一方、松島のことが気になった顕子は新築中の現場に出かけます。声をかけずに見ているうちに、どこからか電話を受けて出かけていく松島。
いつものつば広帽をかぶって当然のように尾行し始める顕子。あのつば広の帽子、顕子は変装しているつもりですけどかなり目立ちますよね…。
松島が向かった先は喫茶店で、そこには美月がいました。娘の行動にひそかに驚愕しながらも、近くの座席で二人の会話を盗み聞きする顕子。
最初は学校のことを話しながら泣いていた美月でしたが、松島のフォローによってだんだんと笑顔を取り戻していきます。
美月から無茶振りされた「部屋の天井」も、望み通り50センチ上げたどころかロフトまでつけたことを報告する松島。それを聞いた美月は「実はお母さんにも言ってなかったけど、ロフト付きの部屋に住むのが夢だったの!」と目を輝かせます。
いい感じのお二人さんですが、壁に耳あり障子に顕子。
混乱したときにする拳をギューっと握る癖を繰り返しながら、二人の会話を聞いた顕子は次なる行動に出るために店を出ます。
このとき、顕子は気づいていませんでしたがその姿を美月は見ていました。
「お母さん、いままでもずっとそうやって見張ってきたの…?」
と驚くとともに、母に対する疑惑が固まっていく美月。
顕子の暴走
美月が自分の思い通りにならないことをおそれた顕子は、松島のもとへ出向いて神妙な顔で告げます。
「あの娘のこと、本当に真剣な気持ちじゃないなら、もう二度と近づかないで」と。
いつものフワフワした吐息混じりの話し声ではなくて、そこだけ超地声。斉藤由貴さん、歌が上手いだけありますね。声のコントロールが本当に素晴らしいです。松島の上司役である壇蜜さんもこういう声が出せたら面白い演技になるのになぁ…(突然のディスり)。
ついでに「娘は本当はこういうロフト付きの部屋に住みたがってたの。母であるわたしにはわかるの」とさっき盗み聞きで仕入れたばかりの情報も披露して「母としての威厳」を保つのに必死です。
ただならぬ顕子の様子にビビった松島。
思わず即答できなかったことを、家に帰る途中の美月に電話で謝ります。
『母のいる家に帰りたくない。こんなことを思ったのは初めて』と思いながらもしぶしぶ帰り着くと、ゴキゲンな顕子が夕食を用意していました。テーブルには美月の好きなメニューばかり。
美月 vs 顕子 ファイッ!
「お母さんね、やっぱり松島さんは美月にはふさわしくないと思うの」と言い出す顕子。
育ちのせいで卑屈なところがあることや、遊園地のお化け屋敷で怖がってわたしのほうに抱きついてきたことがわざとだったんじゃないか、などの理由を並べ立てて美月を支配しようとする顕子。
以前まで松島と付き合うことをさんざん押してきたのに、いざ美月が松島と親密になると自分が仲間外れにされることをおそれての行動なのでしょうか。
「美月の気持ちは一番お母さんがわかるから、あなたのためを思って言っているのよ」と迫る顕子。
いままでの美月だったらきっと顕子の思い通りになったかもしれません。しかし、美月は「母がただ自分を支配したいだけ」ということに気づき始めています。
そして初めて、母に反発するのです。
「それは、わたしの気持ちじゃない!」と。
ここが今回のラストシーンでもありクライマックスでもあったのですけど、このめっちゃ大事なシーン、次回予告のときに見ました。
次回予告で見たシーンって、実際にその回を見るときに意識しますよね。「あのシーンまだかな?」って。まさか最後だったなんて。
おわりに&映画「昼顔」のこと
生まれて初めて美月が反発した日。それはある意味、本当の美月が上げた産声でもありますね。
ドラマは全8回なので、これくらいの反発では顕子が軽く流す風を装って本格的な対決にはつながらない気もしますが、次回どうなるか楽しみです。
ちなみに「オカムス」の脚本を書いてらっしゃる井上由美子さんといえば、主婦たちの不倫を描いた「昼顔」が大きく話題になりましたよね。
その「昼顔」が映画化されたようで、ポスタービジュアルが本日公開されていました。もちろん映画「昼顔」の脚本もドラマと同じく井上由美子さんです。
映画「昼顔」の公開は2017年6月10日からだそうです!こちらも楽しみですね。
▼第3回のネタバレ感想を書きました。こちらからどうぞ!
お読みいただきありがとうございました。