待ちに待った「さらざんまい」第6話を見ました。
6皿目のネタバレが含まれていますのでご注意ください
▼前回までの感想はこちら
見慣れてきたカッパ型
前回、サシェゾンビを倒しそこなったのでカッパ姿のままの一稀・燕太・久慈トリオ。
一稀に関しては春河やほかの家族の目の前で吾妻サラの女装がばれてしまったこともあり、カッパのままでいいと前回言っていましたね。
カッパ姿で相撲に精を出したり、公園をぷらぷらしたり、三匹もなかなか楽しそうです。かわいいよねカッパ。
カッパといえばダ・ヴィンチの幾原邦彦インタビューにて、三人のキャラデザはカッパから逆算されたものだと明かされています。
ほぼ今のデザインのカッパをぼくが描いて、それをミギーさんにお渡しして、ヒト型を考えていただいたんです
(「ダ・ヴィンチ2019年6月号 P50より)
カッパありきだったとは…。どうりでかわいらしいわけです。
公園でサッカーボールを蹴り、「今なら自然な流れでいけるかも」と一稀にパスを出してみる燕太。
しかし燕太の妄想とは裏腹に、一稀は完全にシカト。春河をあんな目にあわせた自分には笑う資格も、サッカーボールを蹴る資格もない、というように暗い表情です。
気を取り直して、三匹は
「このへんにいいきゅうりスポットがあるんだよ!」と街へ繰り出します。
いや、さらっと出てきたけど、なんなのきゅうりスポットってw
しかしそこには春河が!
にゃんたろーにごはんをあげています。春河のお父さんも一緒です。
春河にカッパ型の一稀たちは見えないことになっていますが、一稀は全力で逃亡。
春河に近づく玲央
逃げ出した一稀をほかの二人が説得しているあいだに、春河のスマホにカワウソ×水玉に欠けたハートのマークが。カワウソイヤァ!?
春河に近づく新星玲央。春河が語る一稀への思いに
「だったら見せてみろよ。欲望か、愛か」と銃口を向けます。
笑った玲央の歯がギザギザしててめちゃ怖! 相棒の真武がメンテナンスとやらに行っていることがかなり気に食わないご様子。それを「裏切り」と呼んでいる玲央ですが、もしそれが、真武の機械仕掛けの心臓を維持するために必要なことだとしたら割り切れそうなものなのに。玲央はすごく怒ってるんですよね。そこらへんの関係性がいまだ謎です。
「眠」マークの銃により春河は箱詰めされてしまいます。
カッパ王国とカワウソ帝国の対立
どこからか電話を受けるケッピ。
「……わかったですケロ」と通話を終え、春河がさらわれたことを一稀たちに知らせますが……一体誰から入電したの? 敵側にスパイを送り込んでるとか…?
ここでケッピの口から、カッパ王国とカワウソ帝国の対立が語られます。
- 帝国軍はカッパ王国を滅ぼした敵である
- カッパとカワウソは長きにわたり戦争を続けていた
- 尻子玉の欲望エネルギーをうばいあう戦争
- カッパ王国の欲望エネルギーを吸い尽くしたカワウソ帝国は人間に目をつけた
- ケッピは希望の皿を生み出すことのできる唯一の存在
- カワウソ帝国にケッピの存在を知られたら、命を狙われる
帝国軍との戦いのイメージとして「火の海の浅草を逃げ惑う人々」が描かれていました。凌雲閣そっくりの建物も。
箱詰めされてしまった春河を助けにいく一稀たち。
不思議なのはケッピが「帝国に自分の存在を知られたら命が狙われる」と言ったばかりなのに、自らカワウソ帝国のアジトへ誘導することです。
なにか思惑があるのか、それとも純粋に一稀を助けてくれようとしているのか…。お話しているときのケッピは基本無表情なので読めませんね。後者だといいな…。
三人の華麗な連係プレー
カワウソ帝国のアジト、圧巻でしたね。無数の箱、それを仕分けるオートメーション。生物の気配が一切ないのに完璧に動いているのが不気味でした。
先へ進むために燕太がみんなを全力で投げたり、久慈が身体を張ってシャッターをおさえたり。春河を救うという名のもとに、「この三人いつのまにこんなに仲良くなったの?」と思ってしまうほど真面目に助け合っていました。
身体を七変化させてさりげなくサポートするケッピもいい仕事してました。
無数の箱から春河の箱を見つけ出す一稀でしたが、春河の箱は奈落の底へと落ちてしまいます。
絶望する一稀に、ケッピがある提案をします。
「尻子玉を移植すれば命は再生される」と。
「人間は尻子玉でつながっている。
それを失うと誰ともつながれなくなって、えんの外側にはじかれる。
尻子玉を失った人間は、はじめからこの世界に存在しなかったことになる」
一稀は「えんの外側……」とつぶやいたのちに、春河に自分の尻子玉を移植するように頼みます。
ターミネーター要素
尻子玉を移植するために「尻子玉とあなたとのつながりを切りますケロ」とケッピが出現させた機械。
フックがついた頑丈な鎖と、ふたつのボタンがついたスイッチ装置。
まさに「ターミネーター2」でアーノルド・シュワルツェネッガー演じるT-800が最後に溶鉱炉に沈むときのやつでしたね。
すでに自分は「えんの外側」だと思い込んでいて、春河のために自ら消えようとする一稀。ターミネーター2のT-800と重なります。T-800もロボットであるがゆえ「えんの外側」にいる存在。人類の未来を変えるため、自ら溶鉱炉に沈むのです。
ターミネーターの「未来からきた存在」というのもなにかを暗示しているのでしょうか。
そういえば、ターミネーターの主人公の女性の名前。サラ・コナーでしたよね。こんなところにもサラちゃんが。
KURO KEPPIとは…?
春河の箱に判定が下ります。
「判定、愛。箱、返却」
システム音声。その判定画面には、ヘッダー部分に
LOVE OR LIBIDO (愛か欲望か)
そしてフッターには
KURO KEPPI SYSTEM
と小さく書いてあります。ん…? KEPPI? ケッピ! 黒ケッピってなんぞ。
ケッピの正体がますます謎になってきました。一稀たちと一緒にいるのはからだが白いケッピです。そもそもカッパじゃなくてケッピ。それがなぜカワウソ帝国のシステムとして機能しているのか…?
トリプルカウンターシュート
一稀の鎖を久慈が銃で断ち切り、春河の箱は返却か…と思いきや、
アホほど大きいシュレッダーが待ちかまえます。
愛だったら返却って、すりつぶすんかーい。
シュレッダーの下には今までにすりつぶされた無数の愛のかけらが、キラキラと輝いてましたね。綺麗だけど、もの悲しい。
今にもすりつぶされそうな箱。
一稀のスマホには、春カッパからの「最後のメール」が届いていました。
それによると、一稀の生みの母親のサシェを偶然ひろった春河は「かずちゃんを連れていかないで」と強く言ってしまったそうです。そのとき彼女が見せたの困ったような笑顔。一稀そっくりです。やっぱり親子ですね。
かずちゃんの笑顔を奪ってしまったこと。だけどかずちゃんにはずっと笑っていてほしい。それを願う人はボク以外にもたくさんいる。かずちゃんは、まあるいえんのまんなかにいるんだよ。
釘宮さんの声、本当にすごい。なんてまっすぐで、澄んだ声なんでしょう……。これは泣ける。てかめちゃ泣いた。
落ちていく春河。
ケッピをボールに見立てて、久慈から燕太、そして燕太から一稀へとパスがつながり、一稀がオーバーヘッドシュートを決めて…つかケッピボコボコ。かわいそうだけど笑ってしまう。
燕太が「シュート!」という漫画の平松に似ていることもあり、ゴールデントリオの三人で決めるシュートは「トリプルカウンターシュート」みたいでした。
#さらざんまい
— あわわこ (@awawako_indoor) 2019年5月17日
サッカー漫画「シュート!」の平松くんが燕太すぎる
・真ん中分けの髪型で眼鏡
・フォワード田仲のアシストに長け二人は「ゴールデンコンビ」と呼ばれる
・キーパー白石と三人合わせて「ゴールデントリオ」とも称される(白石は暴走族にはいり一時期サッカーから離脱していた) pic.twitter.com/eLX9Junkbb
春河を助けた一稀は、もう迷わない。つながることをあきらめない、と6皿目のタイトルですね。
玲央と真武の考察
Cパートはかいそう。〇回想 ×海藻
火の海、カッパ王国とカワウソ帝国が戦争をしているくだりで見た映像です。逃げ惑うカッパ達から考えるに、カワウソにカッパ王国が襲われているところでしょうか。
人間型ケッピのような姿が立っているところへ、軍服を着た玲央と真武が「見つけたぞ!」踏み込むと
「欲望が…割れる! ダダダダ、ダークネス!」
と真っ黒なケッピみたいなやつが胸のあたりから飛び出してきて、玲央と真武を襲います。そして玲央をかばった真武に直撃。
そのあと、凌雲閣のような建物からなにかの物体が飛んでいき、巨大なカワウソのシルエットが建物を襲います。
巨大なカワウソに崩される、凌雲閣そっくりの建物。史実では凌雲閣は関東大震災によって崩壊しています。
軍服の玲央と真武はカワウソ帝国側だったんですかねー。カッパ王国が滅ぼされたのっていつ頃の話なんでしょう。十年前くらいだとすれば、Twitterの「玲央と真武」に表されていた年代と一致します。
不思議なのは、Twitterの玲央と真武はあんまりカワウソカワウソしてないっていうか…
もうここは駄目だな#真武 pic.twitter.com/s61AXE0X4j
— 玲央と真武 (@keeponly1luv) 2019年3月14日
もしこの時点で玲央と真武がカワウソ帝国側であれば、カワウソマークだらけの場所で「ここは駄目だな」とは言わない気がするんですよね。謎が深まるー。
あ、現在の玲央はケッピの存在を知ってニヤァと笑っていましたね。
「見つけたぞ。俺たちの希望」と。不穏な予感。
今回は内容みっちりでお歌のシーンもカットされてました。本当に盛りだくさんで、映画一本見終わったような気分です。