SMAPを初めて知ったとき、わたしは中学生くらいでした。
当時は、光GENJIのものすごいブームが過ぎ去ったあと。
「アイドル?ジャニーズ?(笑)」という雰囲気がかなりあったようにおもいます。体感的に。
そんななかテレビ番組で偶然SMAPという6人のアイドルグループを知り、B5サイズのアイドル雑誌を買い、付録のシールをこっそりと消しゴムに貼り、あまり知られていないアイドルを好きな自分に酔っていた記憶があります。
わたしがタブーな気分に浸っているなか、SMAPはどんどん人気を得ていきました。
「夢がMORIMORI」へのレギュラー出演。音松くんというキャラクター。
「$10」がリリースされた頃でもまだ、「ダジャレみたいな歌詞~(笑)」とわらう人が周りにいました。
やがて木村拓哉さんが「キムタク」として人気爆発。
24時間テレビで当時のSMAPがそれぞれ手紙を書いて朗読する、というのがありましたが、そのなかで木村さんは『キムタクへ。』という手紙を書いていました。
「キムタク」というキャラクターが独り歩きしてしまうような不安が少なからずあったのではないでしょうか。
そして2016年現在、国民的アイドルグループとまで呼ばれ、こんなにも多くのひとが解散を惜しんでいる。SMAPはそんな大きな存在になりました。
森君の脱退、メンバーの不祥事、紆余曲折を乗り越えたSMAPでしたが、まさかこんなかたちでの解散になるなんて。
アイドルというのは因果な職業です。「自分」をアピールしてその存在を好きになってもらう。プライベートと仕事との区切り。ファンとのかかわり方。
SMAPはあくまで仕事上の付き合い、グループ。そうわかってはいても、SMAPが笑い踊り歌うことで感動をもらったひとはたくさんいます。
虚構の存在とは割り切れない、そんな思いがあります。
SMAPというグループはメンバー本人たちの意思ではなく、事務所でつくられたものです。
そこがバンドの解散や再結成とはまたちがうところですよね。
スマスマの最後で、本人たちの口からはなにも言葉は聞けませんでした。
本心を聞きたいような、聞きたくないような気分です。