クリームシチューをごはんにかけたことはありますか?
わたしはあります。
というか、19歳あたりまでずっとかけていました。
それが実家での標準的な食べ方でした。
ずっと疑問だった
シチューを白いごはんにかけて食べる。当たり前のように食卓にのぼるそのメニューが、わたしはあまり好きではありませんでした。
子供ごころに、「なんかヘンだ」と違和感をおぼえていたのです。
同じ「ごはんにかけるメニュー」なら、断然カレーのほうが好きでした。
しかし違和感の正体を特に突き止めることもなく、高校を卒業して家を出るまで、わたしはずっとその食べ方をしていました。
運命の日
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ひとりで暮らすようになってから、本格的に自炊も始めました。
ある日のこと。遊びにきた友人と一緒に夕飯をつくることにしました。
メニューはクリームシチュー。市販のルーと、野菜や鶏肉を買いこみ、手順通りに作っていきました。
完成したシチューはとてもおいしそうに湯気を立てていて、それを白いごはんにかけました。
ひとつの皿にかけおわったとき、友人が驚いて言いました。
えっ…! かけるの?
それを聞いたわたしは友人よりも驚いてしまいました。
「えっ、かけないの?」と。
よくよく聞いてみると、友人はシチューをごはんにかけて食べない、むしろ今までそういうふうにして食べたことは皆無、という衝撃の返答。
びっくりして、その後会う人会う人に聞いてまわったところ「シチューをごはんにかけて食べることはない」という答えがほとんどでした。
なぜ実家ではシチューがごはんにかけられていたのか
ハウスのクリームシチュー。よく見ると、パッケージにごはんは映っていません。
バーモントカレーはごはんにかけられた状態でパッケージに映っています。
もしかして、実家の母はカレーとシチューを混同していたのでしょうか。
衝撃の事実を告げるべく、母に連絡しました。
あのね、シチューって、必ずしもごはんにかけるものじゃないらしいよ?
うん、知ってる
……知ってたんかーい!
えっじゃあなんでシチューをごはんにかけてたの?
だって……わけたとしても最終的には一緒じゃない!
とても、あっけらかんとしていました。母にとっては「あえて」の選択だったようです。
どちらが一般的でも標準でもないのかもしれない
ところが、シチューをごはんにかける食べ方というのは決して少数派ではないというデータがありました。
▼ハウス食品によるWeb投票結果特設サイト
ハウスが2016年に実施したWeb投票によると、
- ごはんとわける:58%
- ごはんにかける:42%
と、五分五分とまではいかないものの「かける派」が大健闘しているのがわかります。
エリア別に見ると東日本は「かける派」が多いようです。北海道は「わける派」が多かったり、九州の南の方や沖縄などでは「かける派」が多かったりなどの地域差もあり、実に興味深いです。
そして現在
あれからシチューをごはんにかけて食べることはしなくなりました。最近では、ごはんよりもハード系のパンなどど合わせて食べることが多いです。
もしあのとき「シチューをごはんにかけないで食べる方法」を知ることがなかったら。
今でもクリームシチューをつくるたびに「シチューをごはんにかけて食べることしか知らない」自分がいるであろうパラレルワールドに思いを馳せずにはいられません。
お読みいただきありがとうございました!