日めくりインドア女子

ゲームや漫画、ドラマやコンビニスイーツなどに関するインドア女子の記録

小沢健二「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)(完全生産限定盤)」への率直な感想

2月16日(金)に生放送されたMステ。

小沢健二の新曲があまりに素晴らしく、CDを秒速でぽちりました。

アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)

岡崎京子の漫画「リバーズ・エッジ」映画化に合わせて作られた曲で、岡崎京子と小沢健二どちらも好きな人にとってはたまらない作品。

▼以前書いた岡崎京子とオザケンの記事

www.indoor-joshi.com

 

凝ったデザイン

完全生産限定盤だけあって、アートワークがとにかく凝ったつくりになっています。

小沢健二「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)(完全生産限定盤)」

ひらくと、こう

折りたたまれたパッケージをあけてみると、一枚の写真が全面にあらわれます。

緑の中のシャボン玉とドールハウスの色彩がきらきらして綺麗。

小沢健二「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)(完全生産限定盤)」

アルペジオの歌詞カード

1曲目、アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)の歌詞カードです。

透明なフィルムに白い文字で書かれています。

小さいし、透けてるし、すごく読みにくいんですが、アート的に考えてみると「大切なものは空気のように日常に溶け込んでいて目に見えない」とも受け取れますね。あとこれ、フィルムのかたちが葉っぱなんです。歌詞に出てくる「森」にも通じているし、その「森」は岡崎京子による未完の作品「森」も連想させます。

小沢健二「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)(完全生産限定盤)」

裏面「ラブリー」は東京の夜景

「森」の裏は「東京」です。

夜に息づく東京のイルミネーション。ラブリーの歌詞は夜に溶け込みながら、ところどころ桃色に輝いています。

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「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)(完全生産限定盤)」に関しては、発売前に公開されたティーザー映像でそのアートワークがチラ見せされていました。

▼公式によるティーザー映像。「ティーザー」とは、焦らす、からかうの意だそうです

www.youtube.com

 わたしはこちらの広告を一切チェックしていなかったので、何も知らずに手に取ったんですよ。その驚きと喜びたるや!

……ここまで詳しく書いておいてなんですが、何も知らずに手にしたほうがきっと楽しいんじゃないかなって思います。

 

アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)の感想

初めて聴いたとき、なんて神曲なんだろう!と思いました。

小沢健二と岡崎京子がともに過ごした日々が生き生きと綴られていて、聴きながら岡崎京子の漫画を思い出しました。

「リバーズ・エッジ」というよりはもっと前の時期の、キャラクターに鼻の穴をあまり描いていない頃の岡崎京子の漫画です。そこでは男の子と女の子が散歩をしながら会話をしていて、自由に笑ったり怒ったりしていて、コマの外にはディープな情報が手描きの文字でつづられているような、そんな雰囲気をぶわっと思い出しました。

音楽は不思議です。

聴いているあいだ、遠いところに行ったり昔に戻ったり未来をのぞいたりできます。そうやって見える景色はとても美しく、現実や記憶とあいまってより増幅することも。音楽でこんな体験をするたびに、月並みだけど生きててよかったなぁ、なんて思うのです。

ただ1点、これはちょっとな!と引っかかるところがありまして。

「僕の彼女」つまり、元カノに対する部分です。

歌詞によると、

僕の彼女(注・元カノ)は君(注・岡崎京子)を嫌う

ファックスを隠し雑誌記事も捨てる

 とあります。

この歌詞によって何を表現したいのか考えてみましょう。

「彼女が嫉妬するほどの友情を築いていた僕ら」でしょうか。

「嫉妬深い彼女をものともせずに友情を続けた僕ら」もあるかも。恋より友情を大切にしていた、みたいな。まぁこの辺は、いいんです。問題はその先。

その彼女は僕の古い友人と結婚し

子ども産み育て離婚したとか聞く

これ。これがちょっと。わたしが女だからか、つい元カノサイドで受け取ってしまうんですけど、なんでそんな他人のプライベートなことを歌詞に書くのよって思っちゃいます。岡崎京子の漫画の欄外にチラッと書いてあるディープな本音とはまた違いますよね。歌詞として音楽にのせて歌っちゃうって。

歌詞について、敬愛する青春ゾンビさんの記事には「ひどく露悪的ではあるが」と、否定的な受け取り方ではありませんでした。が、露悪的の「悪」のところで自分のじゃなくて元カノの所業を書くのって、露悪が過ぎるなと思ってしまいます。

総合すると、この曲、音楽的には大好きだけれど人間的には嫌いです。超アンビバレンス。元カノ以外のところはものすごく好き。だけど部分的に嫌い。好きだけど嫌い、嫌いだけど好き!……奇しくも岡崎京子の漫画のタイトルのような感想になってしまいました。

 「同じ木に」とは

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クレジットをながめていて疑問に感じたこと。

1&3のアルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)は「岡崎京子に」

2のラブリーは「同じ木に」と書かれているんですよ。

「同じ木に」とは、一体なんでしょうか。ネットで誰か考察してないかなぁと探してみたら、このようなツイートを見つけました。

 

へー!!なるほど。「僕ら」てのがどこまでを指すかわからないけど、「仲間たちに」という意味なんでしょうかね。

「Tokyo, Music & Us」とはAppleMusicで配信されている小沢健二の動画なんですが、チェックしていませんでした。AppleMusicは初めての登録だと3カ月無料で試せるようなので、この機会に入ってみようかな。

 

以上、感想でした。