昨晩見たNHKのドラクエ30周年記念の特別番組がすごくよかったので感想を書きます!
▼番組の概要はこちら
ドラゴンクエスト30th ~そして新たな伝説へ~ - NHK
最新作ドラクエXIの情報もすこし流れていましたが、メインは
・初代ドラゴンクエストの制作秘話
でした。
最初の方で特集された作曲家のすぎやまこういち先生が85歳ということにまず驚きました。
かなり昔からご活躍されていましたが、最新作のドラクエXIでもかなりの数を新たに作曲しているそうです。すごすぎですね!
堀井雄二さんと山田孝之さんの対談
まず堀井雄二さんの仕事場がドラクエ仕様だったことに驚きました!
高層マンションの一室をリフォームしてドラクエの世界を作り出したそうです。
壁には精巧な武器や扉など見ているだけでわくわくするような内装でした。
対談では堀井雄二さんがファンからの質問にも答えていました。
代表的な質問を略してピックアップすると
Q「ドラクエの世界では人の家でツボ割ったり引き出しあけたりしてますがなぜですか?」
A「僕も人の家で冷蔵庫あけたりしちゃうんですよ」
いや!先生!それはダメでしょ(笑)
Q「ドラクエVのキラーパンサーはどうしてゲレゲレとか変な名前ばかりなんですか?」
A「変ですか?ゲレゲレっていいと思うんですけど」
ゲレゲレは堀井雄二さん的にはカッコいい名前だったそうです。
ちなみに私もゲレゲレ派です。
Q「ドラクエ7のキーファはどうして途中でいなくなっちゃうんですか?たねあげたのに!」
A「キーファに関しては切なさを出したくてああいうふうにした。できるだけ早く抜けさせるつもりだった」
確かに切ないですね!人生の厳しさを知りますよね!
山田孝之さんが『リアルの世界でもいろんなものをあげた女性が突然いなくなっちゃったりしますもんね…』と呟いていたのも印象的でした。
Q「ドラクエの呪文の名前が独特ですがどうやって決めたのですか?」
A「ホイミは身をまもる、という意味で保身…ほみ…ホイミみたいな感じ。メラは燃えるからメラッ。ギラはギラッといくからギラッ」
まさかホイミが日本語から来ていたとは。
堀井さんは関西出身ということもあり、『そこの道をバーっと行ってダーっと曲がって』のように擬音が多いこともあるかな、ともおっしゃっていました。
どんな質問にも飄々とこたえていく堀井さんが面白い(笑)。
山田孝之さんもとても楽しそうで、興味深い質疑応答でした。
初代ドラゴンクエスト制作秘話
すぎやまこういちさんが作曲することになったきっかけ
すぎやまこういち本人がとあるゲームのアンケートはがきを書いて送ったものが、ドラクエのプロデューサー千田さんのもとに届いたことが最初のきっかけだったそうです。
ちょうど、ドラクエのBGM担当者を探していた千田プロデューサー。
すぎやま先生のことは知っていたものの、どうしたらコンタクトがとれるか思案中にふってわいた運命的な出会いでした。
すでにグループサウンズやウルトラマンの作曲家として名を馳せていたすぎやま先生だったので、千田さんとしては「まさかあのすぎやま先生が、マイナーな将棋ゲームのアンケートはがきを直々に送ってくるなんてあるだろうか?」と半信半疑だったそうです。
直接会って話したふたりはゲームが好きという共通点で意気投合し、ドラゴンクエストのゲーム音楽をすぎやま先生にお願いすることになります。
ちなみに、初代ドラクエの作曲に与えられた時間は一週間だったというから驚きです。
堀井雄二とプログラマの中村光一がタッグを組んだきっかけ
中村光一といえば、大学生時代にエニックス主催のプログラミングコンテストでドアドアを開発したことで有名です。そこへ、取材記者でありながらこっそり応募していた堀井雄二もちゃっかり入賞したことがタッグを組むきっかけになったそうです。
2人は一時期RPGにハマっていて「ウィザードリィ」派の堀井さんと「ウルティマ」派の中村さんがいろいろ話しているうちに、ドラクエでは上記のゲームからいいとこ取りしようという話になりました。
ちなみに、プログラマの中村さんとしては音楽をすぎやま先生に頼むというのは当初は反対だったというエピソードもドラクエ風のゲーム画面で語られました。
というのも、すぎやま先生はこれまでゲーム音楽をつくったことがなく、すでにほかの人にドラクエの音楽をお願いしていたからです。
しかし、一週間で杉山先生が仕上げてきたメインテーマやフィールド曲などの、それまでのゲーム音楽では考えられない優雅なクラシックBGMを流してみたとき、満場一致で「これ以外のBGM考えられない!」と盛り上がったそうです。
キャラクターデザイン秘話
鳥山明が担当することになったきっかけはあの人物
当時「週刊少年ジャンプ」の編集者だった鳥嶋(トシリマ)さんの口から語られていました。
ゲーム「ドラゴンクエスト」が作られるにあたって、どうしても発売前から「ジャンプ」で特集していきたいと考えたトシリマ氏は、どうしたら「ジャンプ」に掲載できるか、ということを考えたそうです。
そこで思いついたのが当時ジャンプで連載をもっていた漫画家の鳥山明さん。
トシリマさんは当時、鳥山明さんの担当でもありました。
トシリマさんはDr.スランプアラレちゃんのドクター・マシリトのモデルにもなっていますね。
鳥山明さんがゲーム好きであることを思い出したトシリマさんは、ドラクエのキャラクターデザインをお願いすることにしました。
ジャンプで連載している鳥山さんがキャラクターデザインを担当していれば、特集を組む動機になりますもんね。
鳥山明さんからのメッセージ
鳥山明さんはメディアには出演されないとのことでしたが、番組ではメッセージでの出演となっていました。
けっこう長いお手紙で、直筆のイラスト付き!
メッセージ自体は、
「かるい気持ちで引き受けたドラゴンクエストのキャラクターデザインが、まさか30年も続くとは思いもしませんでした。
長くキャラクターデザインをしていると、ストーリー上いろいろな制約がうまれてきたり、初期の頃ほど自由にデザインができなくなったりということもあります。
とくに自分自身は決まりきったことを長く続けていくのが苦痛に感じるし、デザインするキャラクターが『いい人』のことが多くてバリエーションを探すのにとても苦労します。
でも、いただいた仕事は絶対に全力投入でやります。
今回のドラゴンクエスト最新作も、お目にかかるのはもう少し先になりますが、とてもよい作品になったという自信があります。」
というようなものでした。
ドラゴンクエストⅪのキャラクターデザイン
▼ドラクエⅪの主人公(スクウェア・エニックス公式サイトより引用)
メッセージとは別に、制作中であるドラゴンクエスト11においてのキャラクターデザインにかかわるプロデューサーとのやり取りも紹介されていました。
そこで興味深かったのが、スタッフが出した「主人公はストーリー上、フード付きの服を着せてほしい」との希望に対しての、鳥山明さんの回答。
「フードを付けると剣をおさめる鞘のベルトが腰のあたりにせざるを得ません。
そうなると主人公感が薄れてしまいますので、わたしとしては今の状態がベストだと思います」
たしかに!
剣を背中におさめていたほうが、より主人公感がありますね。
テストプレイ動画でも流れていましたが、上から剣を振りおろす動きもダイナミックです。鳥山明さんは、キャラクターが実際に動くときのことも想定してデザインをされているそうです。さすがとしかいいようがない…。
ドラクエ愛にあふれた番組構成
初代ドラクエ開発中の制作陣の様子がドラクエの画面のようになっていたり、セクションが変わるときにドラクエのウィンドウを選択したり、鳥山さんからのメッセージが宝箱を開ける画面になっていたり。
見た目から効果音まで、濃厚なドラクエづくしの贅沢なドラクエ番組でした。
とにかくドラクエ好きならニヤニヤしてしまうようなつくりで、あっというまの50分。
再放送は?
昨晩見逃してしまったかたは、ぜひ再放送でどうぞ。
再放送は、2017年1月8日(日)午前0時50分からです!
土曜日の深夜ですね!
再放送予定 - ドラゴンクエスト30th ~そして新たな伝説へ~ - NHK
まとめ
初代ドラクエからの思い入れもあり、とても面白い特別番組でした。
そして俄然、最新作のドラゴンクエストⅪがたのしみになってきました!
▼ドラゴンクエストⅪのプロモーション映像です。
PS4と3DS、どちらでプレイするかはまだ決めかねていますが、絶対に購入したいとおもいます。
お読みいただき、ありがとうございました。